アニメ「プリパラ」の1st seasonおよび2nd seasonを視聴しました。素晴らしい出来のアニメで、視聴中に何度も涙を流してしまいました。せっかくですので、「神回ランキング」という形式で感想を書いていきます。
プリパラとは
「プリパラ」はタカラトミーアーツとシンソフィアが共同開発したアーケードゲームです。このゲームでは、プレイヤーは自分のアバターをオシャレにコーディネートし、歌とダンスのライブパフォーマンスを行い、最終的には神アイドルの称号を目指します。私と同世代であれば、「オシャレ魔女❤︎ラブ&ベリー」にインスパイアされた、女児向けアーケード着せ替え音ゲーコンテンツの1つという認識で理解してもらえると思います。2014年に稼働を開始し、今年で10周年を迎えます。
ゲームの世界観を基にしたアニメも放送されていました。今回の記事で取り上げるのはアニメ版で、私は全4シーズンのうち最初の2シーズン分を視聴しました。
きっかけ
アニメ「プリパラ」は放送当時、タイムラインで女児アニメの実況をするおじさんたちの間で話題になっていました。私もTSUTAYAでレンタルして物語序盤の9話くらいまでは視聴していました。真剣に楽しもうとはそこまで思っていなかったので、感想は「CGがきれいだな」「曲も魅力的だな」「ミルキィホームズの監督がやってるだけあってギャグもキレがいいな」といった程度でした。今になってみれば、もう少し粘って12話や24話まで見ていれば、より深くハマっていたかもしれません。
アルバイト先の近くにあるデパートのゲームコーナーで何度かプレイしたこともあり、その時は「Realize!」、「コノウタトマレイヒ」、「エビバデビル♪エブリデビル」といった楽曲が好きでした。特に「Realize!」はカラオケでのアニメ映像が美しく、ヒトカラでは2回に1回は歌っていました。
しかし、まだアニメのサブスクのような便利なサービスのない時代です。TSUTAYAでレンタルする必要があり、面倒になって視聴を途中でやめてしまいました。
2024年、TRPG仲間のシーモアさんをKPに「ディープブルーにキラめいて」をプレイすることになりました。
自分はHOアイドル:世界一のアイドルを目指す少女のロールプレイをすることになりました。キャラクターのイメージを深めるせっかくの機会ですし、放送当時と違いdアニメストアで便利に視聴できるようになっていたため、シーモアさんも激推ししている「プリパラ」を改めて観ることにしました。
神アニメでした。
音楽やギャグが良いのはもちろん、それ以上にストーリー構成と演出が巧みで、視聴者の感情を揺さぶるシーンを多く生み出していました。アニメを見て涙を流したのは「帰ってきたドラえもん」以来でした。泣いたのは一度だけでなく、名シーンごとに何度も涙しました。
この興奮を読者の皆様と共有するために、「神回ランキング」という形で感想をまとめることにしました。大量のネタバレを含むため、未視聴の方はご注意ください。
10位:32話「みれぃ、ぷりやめるってよ」
バレンタインデー回です。
ファルルに敗れた南みれぃは、今までのポップなキャラ作りを捨てようとして迷走します。日常生活にも支障をきたし始めた時、雨宮くんはみれぃにチョコを渡します。「みれぃのアイドル像は作り物かもしれない。でも、それはもはや委員長の一部だ。ありのまま、ぷりのままの自分を貫け(意訳)」と彼は言い、みれぃは自信を取り戻します。
「ちゃん子のちゃんこ」「マイチケとマイタケ」「ストローとスルメ(平常運転)」「男の娘キャラであるレオナの立ち回り」と、ギャグ回としても出来が良いです。
雨宮くんの委員長を想う真摯な気持ちと、みれぃへの「ありのままで、ぷりのままでいい」というメッセージは、みれぃに大きな影響を間違いなく与えています。この回でみれぃが自分を貫くこと、一種の自己受容の大切さを学んだことが、後の展開(特に84話)にもつながっていますね。
ですが何よりも、以下に記す南委員長の魅力的なセリフこそがこのエピソードの真骨頂でしょう。南みれぃ、あまりにも罪深い女。
好きなセリフ
「雨宮くん、今日のバレンタインライブ、雨宮くんに捧げるわ」
「ただし、義理よ」
「甘すぎるわ。まるで、私のよう…」
9位:87話「語尾の果て」
システムが暴走し、友情と語尾が消失したプリパラで、らぁら達が元の世界に戻そうと奮闘するエピソードです。
アイドルアニメであることを十二分に活かし切った回です。なんといっても「Love friend style」でしょう!そふぃ、DressingPaféが次々と友情を思い出し、人数が増えていくライブシーンは説明不要の名シーンです。神ライブランキングであれば1位にしていたと思います。
解説が思いつきません(Kスタン)。記憶を取り戻したみれぃが「ありがとう」ではなく「頑張ったぷりね」と言うところが、二人の関係性を感じられて好き…。
SF全開のこの話の良さが女児に伝わっているのかは疑問ですが、女児アニメでも子供だましに走らず、真剣に作ろうという制作陣の気概みたいなものは感じます。
好きなセリフ
「ただいま、らぁら。頑張ったぷりね」
「だって~」
「じゃあ、赤の他人から始めよう」
8位:29話「EZ DO グロササイズ」
アニメ「プリパラ」は「み〜んなトモダチ!み〜んなアイドル!」という価値観を徹底して掲げた、友情賛歌の物語です。このシリーズの核心がよく表れているのが29話でした。
そふぃが頑張れる理由は、「宙返りできるようになりたい」という個人的な願望だけではありません。「トモダチが一緒だから」「宙返りできたらトモダチが喜んでくれるから」です。さらに、一人では打ち返せなかった栃乙女愛の球も、三人の力を合わせることで打ち返せました。トモダチと一緒なら、一人でいる時よりも努力ができる。トモダチと心を1つにすれば、本来の能力を超えた素晴らしい力が発揮できる。このシリーズ全体の根底にある思想が、特にわかりやすく示されています。
このメッセージを、あれほどトモダチを否定していた大神田グロリア校長が伝えることも大きなポイントです。SoLaMi♡SMILEの三人だけでなく、大神田グロリアもまた、物語を通じて成長しています。
1st season最大のライバルで、アイドルとしての天性の能力は持っているものの、友情や努力の重要性を理解していないファルルと、そのマネージャーのユニコン。二人の発言の「嫌さ」もこの回の見どころで、「アイドルにはトモダチなんていらない。ファンがいればいい」と豪語するユニコン(真意は違うのですが)と、ファルルの「宙返り、いつになったら出来るの?」「無理なんじゃない?」という無邪気な催促は、SoLaMi♡SMILEとは根本的に相容れない存在であることが示唆されています。そんなファルルが友情や努力の価値を知る転機となる回としても、29話が印象に残っています。
好きなセリフ
「もう諦めたら?」「諦めない。だってトモダチが一緒だから」
7位:30話「ドキドキ!パラダイスコーデは誰のもの!?」
プリパラは、絶対に勝てない存在の描写が本当に秀逸です。2nd seasonのセレパラ歌劇団の描写も強烈でしたが、それをも上回る圧倒的なインパクトを放ったのが30話のファルルでしょう。
この絶望感を理解するためには、アニメ「プリパラ」でメイキングドラマがどのような役割を果たしているのかを改めて考える必要があります。
アニメ「プリパラ」においてメイキングドラマは、キャラクターの成長や心情の変化を視覚的に表現するために用いられます。
そふぃの「解放オトメヴァルキュリア」の演出の変化が良い例です。最初のバージョンでは、そふぃは鍵に手が届かず、籠から抜け出せません。これは、自由を望みながらもそれを掴み取ることができないそふぃの心理状態を表しています。しかし、SoLaMi♡SMILE結成後のバージョンでは、らぁらとみれぃの助けでそふぃは籠から抜け出すことができるようになります。さらに次のバージョンでは、籠に閉じ込められたらぁらとみれぃを、今度はそふぃが救出する演出に変わります。そふぃ親衛隊を応援するための最終バージョンでは、そふぃは一人で鍵を開けます。そふぃの成長と自立がわかりやすく表現されています。
他にも、「らぁらがみれぃへの感謝を表すためにメイキングドラマを作成」「アイドルとしての幸福感を伝えるためにメイキングドラマを作成」などの場面があります。新しいメイキングドラマの創作と、彼女たちの成長は不可分のものです。
言い換えると、「プリパラ」における「成長」とは、「新しいメイキングドラマを作成すること」「メイキングドラマをより充実させること」です。らぁらたちが人間として成長して、新しいメイキングドラマを完成させて、それによって新しいサイリウムコーデを獲得したりアイドルランクが上がったり…というパターンは多く見られます。つまり、らぁらたちはアイドルとして高みを目指す戦略として、よりよいメイキングドラマを作ることしかできないのです。
これをメタ的に逆手に取っているのがファルルの能力です。天才である彼女はどんなメイキングドラマも完璧に真似ることができます。一生懸命素敵なメイキングドラマを作っても、ファルルがそれを簡単にコピーしてしまい、全部無駄になってしまいます。プリパラという世界に適合した極めて悪質な能力を持つ、まさに最強のキャラクターと言えます。
私たちは「ときめきプレゼントフォーユー」や「解放オトメヴァルキュリア」の背景にあるらぁら達の成長物語も知っています。だから、ファルルがバックグラウンドを無視して次々とメイキングドラマをパクる姿、かなり嫌な気持ちになるんですよね。ファルルの能力はある意味で今までの物語を踏みにじるものです。らぁら達も、自分たちの今までの戦略が一切通用しない存在に、困惑することになります。ここから34話までは、「SoLaMi♡SMILEとDressingPaféが勝つには、自分たちが強くなるより、ファルルの弱点を突くしかない」「ファルルの唯一の弱点はトモダチを知らないこと」「なのでファルルに友情を教え込んでデバフさせよう」というストーリーが展開されます。ここの発想の転換はバトルアニメしていて好きです。
個人的には、何をしてもファルルにコピーされることを警戒するのであれば、ライブ順でファルルの後手を取るのが最適解かなと考えています。ただ、めが姉ぇとかいうシステム依存の適当な存在が管理している大会なので、「ライブ順はマネージャーの名前の順」とかなんでしょうね。クマは今すぐ種族をワニに変えろ。
ところで、ファルルのコピー能力はこの回以降ロクに出てこなくなってしまいます。視聴者に対する精神的負荷が大きいと制作陣が考えたのかもしれませんね。非常に心が濁るお話なのですが、濁ることはそれ自体がエンタメと考えているので、評価の高い回です。
好きなセリフ
「みんな、ファルルを倒しに来たの?」「違うでちゅよ、ファルル。倒されに来たんでちゅ」
「ねぇ、次はいつファルルを倒しに来るの?すごく楽しみ。待ってるね」
6位:84話「ポップ・ステップ・ぷりぷりぷり!」
みれぃは作中でトップクラスの努力家でありながら、自己肯定感が低く、才能を持つ他者に対して強い劣等感を抱いています。この劣等感は、天才チームとの対決で顕著に表れますが、実際はそれよりずっと以前の段階から存在しています。特に、同じSoLaMi♡SMILEの仲間である天才型のそふぃとの関係性。新曲の歌詞を考えるエピソードではギャグとして流されていましたが、みれぃが提出した歌詞がそふぃの持ち歌「太陽のflare sherbet」に酷似していたことが、この劣等感の深さを示しています。
ウィンターグランプリでは、みれぃは301%の努力を注ぎますが、それでも天才チームことセレパラ歌劇団には全くかなわず、努力なんて無駄だと完全に折れてしまいます。しかし、ガァルル達の活躍を見て励まされ、再び立ち上がります。84話では、301%の努力でダメなら55301%の努力をすればいいと、やり方を変えずに自分を貫いてゴールドエアリーを手にし、これまでのネガティブな感情を吹き飛ばすカタルシス溢れるエピソードとなっています。「ありのままで、ぷりのままで」です。
5301%にしなかったのは英断(オタク、4桁の数字を見ると暗証番号にしてしまうため)。
では、劣等感を抱えるみれぃを天才側はどう見ていたのでしょうか?天才型のシオンはそふぃに対して、「恵まれた環境にいた私達と違い、みれぃはあの不利な地下パラで、独力でゴールドエアリーにたどり着いた。私は敗北した気分だ」と述べています。努力をみれぃほどに貫くことも、それ自体が1つの才能であると言えるでしょう。2nd seasonの真に優れた部分は、普段はトモダチであり仲間である彼女たちが互いをどのように見ているのかを描いている点で、その最良の例が84話です。
好きなセリフ
「だったらこっちも革命返し(ぷり)。約束、忘れたとは言わせない(ぷり)」
「恵まれた環境にいた私達と違い、みれぃはあの不利な地下パラで、独力でゴールドエアリーにたどり着いた。私は敗北した気分だ」
5位:86話「つかめ、春のグランプリ!」
ボーカルドールになろうとする紫京院ひびきの野望を阻止しようとするキャラクターたちの奮闘を描いたエピソードです。スプリングドリームアイドルグランプリで勝利して四季のプリンセスになることが、ひびきを止める唯一の方法です。
あれほどまでに「スプドリは個人戦、各自が四季のプリンセスを目指せ」「ひびきを止めるには結局は個人戦で彼女を上回るしかない」を強調した上での、ファイナルエアリー発現までの流れが非常に秀逸です。ひびきはプラチナエアリーを出せる才能に恵まれ、ファルルや火事場の馬鹿力のらぁらですら相手にならない、圧倒的な個の力の持ち主です。ですが、9人のトモダチがひびきを止めたい一心で力を合わせることで、ひびき以上の力を出すことができました。まさに「み〜んなトモダチ!み〜んなアイドル!」。トモダチと心を1つにすれば、本来の能力を超えた素晴らしい力が発揮できるという、ずっと掲げてきた作品の根底にある価値観が活きています。
また、ファルルの描写に胸を打たれます。めざファ(めざめのファルル)(めざめるパワー炎ではない)は人間のような感情を持ちながら、プリパラから出ることはできない、という孤独を背負っています。ファルルのこの立場は、ある意味で目覚める前よりも残酷なものです。ひびきがボーカルドールになることは、ファルルからすると非常に喜ばしいことである、というのは作品内でも言及されています。
個人的な考えですが、ファルルの孤独というのは単にプリパラから出られないという事実に由来するものだけではないと思います。ファルルは2nd season時点においても最強クラスのアイドルであり、ユニットを持てないほどに単体性能が高すぎます。釣り合う仲間がいないのです。紫京院ひびきはファルルに匹敵する才能を持つ初めてのキャラクターとして登場しました。もちろんこれはひびき視点でも同じで、単体でひびきを倒しうる実力を持っているのはファルルしかいません。この二人は、唯一プラチナエアリーを使えるという点でも共通しており、強者として互いを認め、尊敬し合う関係にありました。
これらを踏まえて「ひびきは今のままでトモダチだ、ひびきはボーカルドールにしない」という決断へと至る過程を考えると、その複雑な葛藤は心を痛めるものがあります。
かなり余談ですが、ここまでファルルとふわりの関係性がなさすぎて、ファルルが「緑風ふわり!」とフルネームで呼ぶシーンが面白くて好きです。
好きなセリフ
「プラチナエアリー。」
「まほちゃんは、ボーカルドールになっちゃダメ。パルプスのマーガレットも美しいの」
4位:37話「奇跡よ起これ!ミラクルライブ」
1st seasonのクライマックスです。
一生擦りますが、これまた「み〜んなトモダチ!み〜んなアイドル!」の理念を徹底的に追求したエピソードです。
「み~んなトモダチ」について。ファルル一人の力だけでは、パラダイスコーデは光りませんでした。らぁら達6人がファルルを想って行ったライブでは、パラダイスコーデは一瞬だけ光りますが、その光は一時的なもので奇跡を起こすには至りませんでした。観客たち皆が力をあわせて、ファルルの復活を願った結果、パラダイスコーデは光を取り戻し、ファルル復活の奇跡を起こしました。トモダチと心を1つにすれば、本来の能力を超えた素晴らしい力が発揮できます。
「み~んなトモダチ」の徹底については今までのランキングでも度々触れてきましたが、37話は「み〜んなアイドル」についても綺麗に回収できているエピソードなので評価が高いです。
「伝説のプリズムボイス」は特別な才能で、らぁらとファルルの二人だけが持っているものとして扱われてきました。しかし、実際には皆がプリズムボイスを持っていました。誰でも強く願えば、人の心の奥まで届く声になるということです。観客全員にパラダイスコーデが配られ、Make it!の「夢はもう夢じゃない 誰だって叶えられる」という歌詞にシンクロするような37話は、「み〜んなアイドル」のテーマを最もきれいに描いた回だと考えます。
好きなセリフ
「ファルルカムバックライブ…。良い名前でちゅ。」
「勝つ」
3位:24話「さよなら、プリパラ」
プリパラは劇伴曲「何かが始まる予感」の使い方がとにかく上手です。その中でも24話の「ママが、嫌いの中には好きがあるって言ってた…」詠唱から始まる一連のシーンと劇伴は、本当に全部のセリフの尺調整が完璧なので、ぜひアニメで見直してほしいです。
ここのシーンが好きすぎて、Apple Watchの壁紙にしています。
内容についても触れます。
まず、SoLaMi♡SMILEの3人が自分だけにしか果たせない役割を完璧に果たしている点が好きです。みれぃはその高い情報処理能力を活かし、大神田グロリアの過去に迫りました。プリパラの申し子であり、プリチケを奪われるとファンシーモードになるそふぃは、その様子に驚いた大神田グロリアとの対話のきっかけを作りました。そして、らぁらは純粋な熱意で大神田グロリアを説得し、彼女にライブを見せることに成功しました。SoLaMi♡SMILEのいずれかが欠けていたら、この問題は解決できませんでした。「この人がいなければ問題は解決しなかった」と言えるキャラクターが主人公であるならば、SoLaMi♡SMILEの三人は主人公に相応しいです。
でも、このエピソードの真の主人公は大神田グロリアだと考えます。彼女がトモダチやプリパラを否定していたのは、悪意からではなく、子供たちを守りたいという深い愛情からでした。「校長先生、私、夏休み没収されてもいいです!だからプリパラへ行かせてください!冬休みもあげます!」というらぁらからの申し出、大神田グロリアからすれば何のメリットもありません。取引として成立していないんです。大神田グロリアが単なる厳しい大人であれば、らぁらの願いを却下してこのお話は終わっていました。でも、児童の熱意を理解できる優しい教育者の大神田グロリアは、プリパラへ向かう三人を止めませんでした。
ライブを見た後、大神田グロリアは過去のトラウマを乗り越え、プリズムストーンに向かい、ひめかと再会しました。しかし、らぁらたちの熱意を感じ取った際に、彼女は既にプリパラに向かう決意を固めていたかもしれませんね。
好きなセリフ
「プリパラへ…」
「校長先生、私、夏休み没収されてもいいです!だからプリパラへ行かせてください!冬休みもあげます!私たちのライブを見てください!先生の嫌いの中の好きをきっと思い出させてみせます!」
2位:36話「ファルル、目覚めるでちゅーっ!!」
プリパラにおいて、本当に悪い人間は存在しません1。ユニコンはこれまで、ファルルに危うい情緒教育を施している悪のマネージャーとして描かれてきましたが、その行動の真意が明らかになるのがこの回です。
「アイドルにトモダチはいらない」とユニコンは言っていましたが、これは悪意からではなく、深い愛情から来た言葉でした。らぁら達はファルルとトモダチになりたいと思っていましたが、実はユニコンこそ誰よりもファルルとトモダチになりたかったのです。しかし、研究職であるユニコンは、ファルルに自我や友情が芽生えると、彼女がトモチケをパキって停止してしまうことを理解していました。そのため、ユニコンは自分の想いを隠し続けていたのです。誰よりもファルルのことをトモダチだと思っているからこそ、ファルルにトモダチのことを悟られてはいけない。誰よりもファルルのことを愛しているからこそ、ファルルに何も言ってはいけない。こんなにも切ない状況にあるユニコンを、悪のマネージャーだと責めることができるでしょうか。
ところで、全ての人類が南斗六聖拳で一番好きなのはサウザーです。サウザーは、誰よりも愛深きゆえに、その愛を失った時の痛みを知っており、愛を否定する悲しい生きざまを背負っています。ユニコンも、誰よりもファルルのことを愛しているからこそ、ファルルへの愛を否定しなければならない運命にありました。だから、全ての人類はユニコンが一番好き。
余談ですが、私はプリパラのキャラクターでユニコンが一番好きです。ただ、プリパラってアイドルのグッズは多いんですがマスコットのグッズが全然ないんですよね。タカラトミーアーツとシンソフィアの担当者様、どうかよろしくお願いします。ユニコンの一番好きな設定は「怒り慣れていないので、ファルルを叱る練習をしている」です。
好きなセリフ
「だから私止めたでちゅ…トモダチなんていらないって…私だってファルルのトモダチになりたかった…でも我慢してたでちゅ…」
「だからファルルをいくら愛しても、気付かれないようにしてたんでちゅ…」
「ファルル、私言えなかったことマウンテンほどあるでちゅ…まだ私何も言えてないでちゅ…会えてよかったって…大好きだって…ありがとうって…」
1位:89話「み〜んなトモダチ!み〜んなアイドル!」
「み〜んなトモダチ!み〜んなアイドル!」を擦っていたら、とうとうサブタイトルになりました。間違いなくプリパラ史上最高のエピソードです。そして、この世に存在する全ての最終回の中で最も完成されたものの1つです2。
このエピソードが優れている点は以下の通りです。
- 紫京院ひびきが適切な罰を受けている点
- 紫京院ひびきが根本的に改心していない点
- それでも紫京院ひびきが確かに変化している点
紫京院ひびきが適切な罰を受けている点
2nd seasonにて、紫京院ひびきはプリパラを荒らし回り、窃盗やシステムハッキングに手を染めています。そのことに対する罰を、「プリパラ史上最大の恥ずかしい誕生日&送別会」という形で受けています。視聴者から紫京院ひびきに対するヘイトの管理が巧みです。
紫京院ひびきが根本的に改心していない点
実際のところ、紫京院ひびきはそれほど改心していません。ファルルやふわり、あじみ先生との人間関係は多少改善されていますが、「み〜んなトモダチ!み〜んなアイドル!」という思想を完全には受け入れていません。また、語尾で体調を崩す点も変わっていません。
しかし、ひびきが周囲をトモダチと認めていなくても、らぁら達はひびきをトモダチとして認識しています。トモダチを受け入れない人物も、トモダチとして受け入れるプリパラの懐の寛容さが描かれています。
それでも紫京院ひびきが確かに変化している点
「プリパラ」2nd seasonはこのシーンを描くためのアニメといっても過言ではありません。
紫京院ひびきは人々をカテゴライズする際、人形を専用のボックスファイルに分けています。
これまで自分を天才だと位置づけていたひびきですが、自分の人形を「天才」ではなく「BAKA」のボックスファイルに投げ入れます。彼女は自らが完全に改心しているわけではないものの、自身の行動が正しくなかったことを理解し、反省していることが示されています。
そして、らぁらの人形はもともと「敵」ボックスファイルに置かれていましたが、「プリパラ」ボックスファイルに移っています。これは、らぁらの「み〜んなトモダチ!み〜んなアイドル!」という理念が、以前のひびきにとっては「敵」であったものの、現在ではそれこそがプリパラの真髄であると彼女が認めていることを象徴しています。もしかしたら、スプリングドリームアイドルグランプリでらぁら達に敗北したことへの敬意や、一種の感謝の気持ちもあるかもしれません。
セリフは全くなく、ひびきの表情さえ一切映さずに、彼女が確実に変化していることを視聴者に伝えるこのシーンは、アニメ作品として非常に優れていると感じます。このエピソードをランキング1位とする理由です。
好きなセリフ
なし(「BAKA」のフォルダに投げ入れる際、紫京院ひびきは無言のため)
あとがき
大神田グロリアとファルルとユニコンとみれぃと紫京院ひびきが好きすぎる。
今回取り上げることができませんでしたが、アロマゲドンやガァルルにも良エピソードは多いので、別途取り上げるかもしれません。
プリパラ3期以降について、今すぐ視聴する予定はありませんが、これも面白いらしいので興味はあります。